東京ビスポークテーラー ドロアーの島村です。

女性のお客様から、よくこんなお話を伺います。

「ジャケットを着ると、どうも疲れるんです」
「肩は合っているのに、なんだか窮屈で」
「仕事で必要だから着るけれど、本当はあまり好きではない」

スーツやジャケットは、本来その人を楽にしてくれる服であってほしいものです。姿勢を整え、気持ちを少し支え、外に出ていく背中を押してくれるような。

けれど、身体に合っていないジャケットは、そうではありません。

  • 着ているだけで肩が凝る。
  • 腕が上げにくい。
  • 胸まわりが落ち着かない。
  • 鏡を見ると、自分ではない誰かの服を着ているように見える。

それでは、好きになれなくても当然だと思います。

「サイズは合っている」のに、なぜ苦しいのか

既製服のサイズは、ある程度の平均値をもとに作られています。

S、M、L、あるいは7号、9号、11号。

もちろん、それで気持ちよく着られる方もいます。けれど、人の身体は本当に一人ひとり違います。

  • 肩の傾き
  • 首の位置
  • 胸の高さ
  • 腰の位置
  • 腕の付き方
  • 背中の丸み
  • 立ち姿の癖

数字としては同じサイズでも、身体のあり方はまったく違います。特に女性の身体は、男性以上に立体的な差が大きいのが特徴。

だから「サイズは合っているはずなのに、なんだか苦しい」ということが起きるのです。

女性のジャケットは、なにより「自然である」ことが大切

服を選ぶのに、女性はとくに「きれい」「かっこいい」「かわいい」「素敵」・・・など、見た目の面白さ、派手さ、斬新さを基準にします。もちろん、ファッションですからそれも大切です。

でも、私たちがジャケットづくりでまず重視するのは、その服を着たときに身体が自然でいられるかどうかです。

  • 肩が無理をしていないか。
  • 胸元が引っ張られていないか。
  • 背中に余計な緊張が出ていないか。
  • 立ったときに、服だけが先に目立っていないか。

本当に身体に合った服は、過剰に主張しません。けれど、すっきり見えるし似合って見える。
無理をしていないのに、きちんとして見える。その人自身の輪郭が、静かに整って見える。

そういう服が、良いジャケットなのだと思います。

「威厳」ではなく等身大の「自信」を感じてもらう服

スーツやジャケットというと、仕事着として「強く見せる服」というイメージがあります。

  • プレゼンテーション
  • 商談
  • 式典
  • 舞台
  • 人前に立つ仕事
  • 部下を持った時

そういう時に、少し立派に、豪華に、威厳を感じてもらえる——そんな服が欲しい。

けれど、あなたの個性は強さ・威厳・貫禄とは限りません。

やわらかくてもいい。静かでもいい。
華やかすぎなくてもいい。凛としているけれど、無理をしていない。

それが、等身大のあなたに「自信」を感じてもらう服の役割です。

女性のビスポークには、そういう美しさが必要だと思います。

既製服で諦めてきた人ほど、ビスポークは面白いかもしれません

背が低いから。
背が高いから。

肩幅があるから。
胸があるから。

腰まわりが気になるから。
腕が長いから。

既製服を選ぶたびに、どこかを諦めてきた方もいると思います。

でも、本来は身体を服に合わせるのではなく、服を身体に合わせるのが当たり前。
それが仕立ての面白さです。

体型を隠すためだけの服ではなく、その人の身体を自然に見せる服。
流行を追いかけるだけではなく、長く付き合える服。

そういう一着を持つことは、少し大げさに言えば、自分の身体に関するコンプレックス意識を変えることでもあります。

人気モデルでも人気イラストレーターの絵でも、個性的すぎると言っても過言ではない <特徴> がありますよね? でもその違いこそが、彼女らを魅力的に見せていると思いませんか?

では、なぜ魅力的に見えるのか———身体や顔の個性に合わせて服を作っているからです。
そして、その <個性> に彼女らが堂々とした <自信> を持っているからです。

女性がビスポークを選ぶということ

女性のオーダースーツはまだ一般的とは言えませんから、最初は少し勇気がいるかもしれません。

「まだまだ未熟な私なんかが、オーダーメイドの服を着るなんておこがましい・・・」
そんな感覚を持っている方もおられるのではないでしょうか。

しかし、オーダースーツやオーダージャケットは、目立つための服ではありません。

窮屈ではないのに、きちんとしている。
飾りすぎていないのに、自分らしい。
仕事にも、特別な日にも、少し背筋を伸ばしたい日にも着られる。

周りの人は、「すごくスッキリしているな」とは思うでしょう。
しかし敢えて言わなければ、それが「オーダースーツ」だとは思わない人が多いはずです。
特別なデザインや装飾を付けるのなら別ですが、ごく当たり前の服なのですから。

しかしそんな服は、あなたにしか見えない妖精のような静かな味方です。
他の人に分からぬように、あなたに自信を持たせてくれることでしょう。

もし、これまでジャケットを好きになれなかったのなら、
もし、既製服の中でどこかを諦めてきたのなら、
一度、「仕立てる」という選択肢を考えてみませんか。


どうぞお気軽に。
ご連絡、お待ちしております。





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