オーダーメイドジャケットは“修理しながら育てる”。長く愛用されたツイードジャケットのお話
先日、以前ツイードのオーダーメイドジャケットをご注文いただいたお客様が、お直しのご相談でご来店されました。

今回の秋冬シーズンをたくさん着込んでいただいたようで、袖裏にはほつれや擦れがあり、「修理して、また来シーズンも着たい」とのお話でした。

仕立て屋として、これは本当に嬉しい瞬間です。
新品の状態を綺麗に保つことももちろん素敵ですが、“着込んだ跡”がある服には、その人だけの魅力があります。
オーダーメイドジャケットは「消耗品」ではなく「育てる服」
特にツイードのような生地は、長く付き合うことでどんどん味が出てきます。
今回お持ち込みいただいたジャケットも、着用によって柔らかく馴染み、お客様の生活に溶け込んだ一着になっていました。
既製品だと、「傷んだから買い替える」という考え方になりやすいかもしれません。
ですが、オーダーメイドで仕立てたジャケットは、修理や補修を重ねながら長く付き合っていける存在です。
サイズや着心地だけでなく、“思い入れ”まで含めて自分だけの服になっていく。
そこに、オーダーメイドならではの価値があると思っています。
修理を重ねることで、さらに愛着が深まる
お客様ともお話していたのですが、これから先、肘が擦れてきたら革のエルボーパッチを付けたり、少しずつカスタムしながら育てていくのも楽しみですね、と盛り上がりました。
袖裏の修理だけではなく、着込むことで生まれる変化を“経年変化”として楽しめるのも、ツイードジャケットの魅力です。
少しずつ補修を重ねながら、その人だけの一着になっていく。
それは単なるファッションではなく、時間を重ねて完成していく道具に近いのかもしれません。
「長く着たい」と思ってもらえることが、仕立て屋として一番嬉しい
長く着てもらえること。
そして、修理しながら大切にしてもらえること。
仕立てをしている側として、これ以上嬉しいことはありません。
オーダーメイドのジャケットは、完成した瞬間がゴールではなく、そこからお客様と一緒に育っていくものだと思っています。
来シーズン、このジャケットがまたどんな表情になって戻ってくるのか、今から楽しみです。
ドロアーにご興味を頂きありがとうございます。
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