オーダースーツは、生地やデザインだけではなく、職人が使う道具の使い方によって仕上がりが大きく変わります。
普段、お客様の目に触れることは少ないですが、工房には一着を美しく仕上げるための様々な道具があります。
今回は、その中でもアイロンワークに欠かせない「鉄万(てつまん)」「万十(まんじゅう)」、そして「アイロン」をご紹介します。他にも重要な道具はありますが、まずはこの3種類から
鉄万(てつまん)とは
鉄万は、無垢の鉄でできた重みのある道具です。そこに綿ネルや中綿などをいれてカバーを取り付けます。
本当に様々な部分で使用します。 縫い代を割ったり、仕上げのアイロンで使ったり細かい部分をアイロンするのにすごい便利な道具です。もし無人島に1つ道具を持っていくとなると鉄万は第一候補にあがるくらい私は使用頻度が高いです。

万十(まんじゅう)
名前だけ聞くと和菓子を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、仕立ての世界ではアイロン台の一種です。
丸みを帯びた形状をしており、胸まわりなど、平らではない部分をアイロンで仕上げる際に使用します。
他には上着の襟をつけるときやアイロンをする時などにも使用します。
人体の曲線に近い形状だからこそ、生地を潰すことなく、美しい立体感を保ったままプレスすることができます。
オーダースーツならではの着心地やシルエットは、このような道具を使った丁寧な作業によって生まれています。

アイロンについて
私たちが工房で使用しているのは、仕立て職人から長く信頼されているタキイアイロンです。もう生産が中止されており本当に貴重なアイロンなため大事に使用しております。
一般的な家庭用アイロンとは異なり、持ってみるとかなりの重量があります。また裏側に蒸気の穴などはなくフラットな鉄の状態でできています。霧吹きで十分に水分を含ませて当て布をしてプレスしていきます。


オーダースーツの仕立てでは、「縫う技術」と同じくらい「アイロン技術」が重要だと言われています。しっかりした重さのあるアイロンを使いしっかり時間をかけて作成していくので美しい服が仕立てられていくと信じております。
だからこそ、道具にも妥協せず、長年愛され続けるプロ仕様のアイロンを使用しています。
道具にも職人のこだわりがあります
一着のオーダースーツには、多くの工程と、それを支える様々な道具があります。
お客様には見えない部分だからこそ、私たちは一つひとつの道具を大切にし、丁寧な仕事を積み重ねています。
これからも簡単ではございますが「仕立て屋の道具たち」として、チーズボードや袖万、アイロンがけ以外にも様々な愛着のある道具が使われておりますのでまたの機会にご紹介させていただきます。
オーダースーツがどのように作られているのか、少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
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