秋冬のスーツを考えるとき、私たちが大切にしている生地のひとつがFOX BROTHERS(フォックス・ブラザーズ)の「CLASSIC FLANNEL(クラシックフランネル)」です。

フランネルという言葉を聞くと、
「暖かそう」
「冬のスーツ」
「少し厚手の生地」
というイメージを持たれる方も多いと思います。
もちろん、それもフランネルの魅力です。
でも、FOX BROTHERSのCLASSIC FLANNELを実際に触って、仕立てて、着てみると、それだけではないことに気づきます。
そこには、英国のテーラリングが長い時間をかけて育ててきた、「スーツらしさ」そのものがあります。
FOX BROTHERSとは?
FOX BROTHERS & CO.の歴史は、1772年まで遡ります。
イギリス・サマセット州で始まったウール服地のメーカーで、現在もサマセットで生地を作り続けています。
FOX BROTHERSの公式ヒストリーでは、1803年にフランネルを開発したことが紹介されており、現在も「フランネルの生みの親」として知られています。
250年以上にわたってウール生地を作り続けている。
長い歴史の中で蓄積された知識や技術、そして過去の服地のアーカイブ。
それらが現在の生地にもつながっています。
CLASSIC FLANNELとは
FOX BROTHERSの数あるコレクションの中でも、CLASSIC FLANNELはまさに名前の通り、「クラシックなフランネル」を楽しむためのコレクションです。
現行のCLASSIC FLANNELは100%ウール。
目付は主に370/400gと400/430gという、しっかりとした重量感を持っています。
軽量化されたスーツ生地が多くなった今の時代に、このしっかりとした生地感は逆に新鮮です。
ジャケットを手に取ったときに感じる重み。
生地を撫でたときの柔らかな表情。
そして仕立て上がったスーツを着たときの、身体を包み込むような感覚。
これこそが、FOX BROTHERSのフランネルの魅力のひとつだと思います。
「重い生地」の魅力とは
最近のスーツは、軽く、薄く、柔らかいものが増えています。
それは決して悪いことではありません。
暑い日本では、軽い服地には大きなメリットがあります。
ただ、軽いことだけが「良い生地」の条件ではありません。
CLASSIC FLANNELのようなしっかりした生地には、軽量生地とは違った魅力があります。
特にビスポークでは、生地のハリやコシ、重量感を利用して、身体の立体感を服のシルエットに落とし込むことができます。

肩から胸へ。
胸からウエストへ。
そして裾へ。
一枚の平面的な布が、身体の上で立体的なスーツになっていく。
その過程を楽しめるのが、こうしたクラシックな服地だと思います。
FOX BROTHERSと「グレーフランネル」
FOX BROTHERSを語るうえで外せないのが、グレーフランネルです。

グレーのフランネルスーツは、英国紳士服を象徴するスタイルのひとつ。
FOX BROTHERSの歴史を紹介する資料でも、ウィンストン・チャーチルやケーリー・グラントなど、歴史的な人物がFOXのフランネルを愛用していたことが紹介されています。
ただ、ここで面白いのは、
「有名人が着ていたから良い」
という話ではありません。
長い年月が経っても古く見えない。
流行が変わっても、その服の佇まいが成立する。
その普遍性こそが、クラシックなフランネルの魅力なのだと思います。
チョークストライプとの相性
CLASSIC FLANNELには、無地だけでなく、英国らしいクラシックな柄も展開されています。
その代表格のひとつがチョークストライプです。


しっかりしたフランネルにチョークストライプを乗せると、スーツそのものに存在感が生まれます。
ただし、ここで大切なのは「柄が派手」ということではありません。
身体に合わせて仕立てることで、ストライプが身体の縦のラインを作り、スーツ全体のシルエットを美しく見せてくれます。
ダブルブレストにするのか。
シングルブレストにするのか。
ラペル幅をどうするのか。
パンツのシルエットをどうするのか。
同じ生地でも、仕立て方によって印象は大きく変わります。
だからこそ、ビスポークでは「生地を選んで終わり」ではありません。
その生地を、どういう服にするのか。
そこまで考える必要があります。
なぜフランネルは「仕立て映え」するのか
フランネルの魅力は、生地単体で見たときと、実際にスーツとして仕立てたときで印象が変わるところにもあります。
生地には起毛感があり、光の反射も少し柔らかくなります。
そのため、仕立て上がったスーツには、一般的な梳毛生地とは違った奥行きが生まれます。
そして、しっかりした生地だからこそ、ラペルや肩、胸まわりなどの立体的な部分にも存在感が出ます。
DraweAr.では、採寸をして終わりではありません。
お客様の身体を見て、どんなシルエットが似合うのかを考え、型紙を作り、仮縫いを行い、実際に身体に着せながら調整していきます。
だからこそ、
「この生地をどう仕立てれば、一番美しくなるのか」
ということを、生地選びの段階から考えています。
フランネルは「育てる」スーツ
フランネルの魅力は、仕立て上がった瞬間だけではありません。
何度も着ていくことで、少しずつ自分の身体に馴染んでいく。
その人の着方や生活によって、服の表情が変わっていく。
そうした時間も含めて、私はビスポークの魅力だと思っています。
新しいスーツを買う。
それだけなら、完成した瞬間がひとつのゴールです。
でも、一着を仕立てて、何年も着て、修理をしながらまた着る。
そうすると、そのスーツには購入したときにはなかった「時間」が加わっていきます。
服が自分のものになっていく。
これは、既製品を買うこととは少し違う、オーダースーツならではの楽しみではないでしょうか。
「流行のスーツ」ではなく「自分の定番」を
CLASSIC FLANNELという名前の通り、この生地の魅力は流行を追いかけることではありません。
グレー。
ネイビー。
ブラウン。
チョークストライプ。
ヘリンボーン。
チェック。
英国のクラシックなスーツを構成してきた色や柄が揃っています。
だからこそ、
「今年流行しているから着る」
ではなく、
「10年後も着たいから作る」
という考え方ができます。
DraweAr.が目指しているのも、そういう一着です。
服は、完成したときが完成ではない
私たちは、服を単なる消耗品だとは考えていません。
一着の服には、その人が過ごした時間が残ります。
初めてそのスーツを着て仕事に行った日。
大切な人と会った日。
人生の節目の日。
仕事で勝負した日。
何年か経って、そのスーツをもう一度着る。
そのときに、
「このスーツ、やっぱりいいな」
と思ってもらえる。
そんな服を作りたいと思っています。
FOX BROTHERSのCLASSIC FLANNELは、そうした考え方と非常に相性の良い生地です。
長い歴史の中で受け継がれてきたクラシックな美しさ。
しっかりとした生地感。
柔らかなフランネルの表情。
そして、着る人とともに時間を重ねていく楽しさ。
一着を長く着たい。
流行ではなく、自分の定番になるスーツを作りたい。
そんな方には、ぜひ一度FOX BROTHERSのCLASSIC FLANNELを手に取っていただきたいと思います。
FOX BROTHERSのフランネルで、自分だけの一着を
DraweAr.では、FOX BROTHERSのCLASSIC FLANNELをはじめ、英国・イタリアなど、さまざまな服地をご用意しています。
同じ「グレー」でも、生地によって表情はまったく違います。

触ってみる。
身体に当ててみる。
光の下で見てみる。
そして、その生地でどんなスーツを作るのかを考える。
そこからビスポークは始まります。
「この生地で、どんな自分になりたいのか。」
それを一緒に考えながら、一着を仕立てていければと思います。
東京・台東区のDraweAr.で、ぜひFOX BROTHERSのフランネルを実際に手に取ってみてください。
ドロアーにご興味を頂きありがとうございます。
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